1.はじめに
土木工事保険の事故例は、天候や自然災害による大規模な事故が多い傾向にあります。事例から、工事目的物そのもの以外でも補償の対象となる物(仮設物や資材)や、作業ミスによる事故事例をご確認ください。
2.自然災害による損害
- 掘削中、台風の為付近の河川が氾濫し掘削壁が崩壊し、濁流(土砂水)となって流入した。掘削済みの工事現場に泥土が堆積し、コンクリート仮枠、鉄筋が破損した。
- 道路工事中、豪雨のため盛土法面が崩壊、切土法面の損壊などの損害を被った。
- 橋梁工事中、強風により型枠及び仮設建物が到壊した
- 海岸工事中、台風に伴う高潮により仮締切が倒壊して工事現場内に土砂水が流入した為、型枠が流出し、養生中のコンクリートが流出した
- ダム工事で、豪雨による増水が建設中のコンクリートダム本体を越流し、仮締切、型枠、支保工が損壊、河川敷に保管してあった工事用材料も流失した。
3.施工に伴うミス、欠陥が原因で発生した損害
- トンネル工事で、異常土圧により落盤が発生し、建設中の構造物が損壊した。
- コンクリート打設中、型枠の取付が不十分だった為、型枠が外れコンクリートが流出した。
- 作業中のクレーンが転倒し、周辺の型枠、鉄筋、配管を破損した。
4.その他、外来の突発的な事故
- 資材置場に保管中の鉄筋などが夜間盗難に遭った。
- クリート橋脚建設中に、橋脚柱の鉄筋が何者かによってガス切断された。
- 地下鉄工事において地下3階にある作業員休憩室付近から出火し、煙は地下鉄工事現場に充満し、地下3階の休憩室と隣の作業衣乾燥室を全焼した。
5.まとめ
土木工事保険の補償の対象は、工事対象物および資材のほか、もっぱらその工事のために建造された設備や宿舎、休憩室も対象となります。ただし工具や建設機械は対象となりません。