施設賠償責任保険の必要性|フォークリフトの事故に備える

フォークリフトの作業・運行にかかわる保険は、意外と種類が多くあります。フォークリフト操作・運行による第三者への賠償責任を補償する場合は自動車保険または施設賠償保険となります。しかしながら使用環境によって選択すべき保険も変わってきますので、保険で補償したいリスクを慎重に検討する必要があります。
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はじめに

フォークリフトの作業中の事故に備える保険について、ご相談されるケース、意外とあります。相談内容をお聞きしますと、フォークリフト作業が行われる環境が多種多様で、想定されるリスクもさまざまであることが判ります。保険の選択のポイントをご説明します。

なお、施設賠償責任保険の記事一覧は施設賠償責任保険のすべてにまとめてあります。また、法人向けの損害保険全般について知りたい方は、法人向け損害保険のまとめに各商品ページへのリンクがまとめてありますのでぜひチェックしてみてください。

フォークリフトで荷物運搬中の写真

フォークリフトの保険は、カバーしたいリスクをよく検討することが重要

1.フォークリフトの作業・運行リスクを考える

フォークリフトが公道を走行するか?構内のみ使用か?で、保険の選択肢が異なってきます。また、保険でカバーしたい事故の形態により、保険が異なります。事故の形態は大きく分けて

  • ⓵第三者への賠償(対人、対物)
  • ⓶運転者(従業員など)のケガ
  • ⓷フォークリフト自体の損害

が考えられます。

  • ⓶については、労働災害となるため、多くの保険(労働災害総合保険、傷害保険や生命保険の傷害特約、自動車保険の搭乗者傷害保険など)で対象となります。
  • ⓷については、公道を走る場合は、自動車保険の車両保険、公道を走らない場合は、動産総合保険で対象となります。
  • ⓵の第三者への賠償を補償する保険について、下記でご説明します。

1-1.公道を走る場合

この場合の選択肢は自動車保険(対人・対物)と自賠責保険に加入する、この1つだけです。フォークリフトは、車検制度がないため、自賠責に加入することを忘れるケースがありますので、気を付けましょう

1-2.構内専用の使用である場合(公道を走らない場合)

この場合は、選択肢が2つになります。1つは、上記1の場合と同様に、自動車保険と自賠責保険に入る。もう1つは、施設賠償保険に加入する。(企業総合保険・企業総合賠償責任保険などの特約として、施設賠償保険を特約として加入する場合も含みます。)

自動車保険で加入する場合には、保険業界統一の加入履歴と事故歴による割引・割増制度があるので、保険料の幅は大きく、記名被保険者(個人・法人ともに)毎に個別に決定されます。

一方で施設賠償保険には、保険業界統一の割引・割増制度は存在しないので、自動車保険の割引がない記名被保険者は、施設賠償保険の方が保険料は安くなります。いずれにせよ、保険料の詳細は、保険会社または代理店に確認しましょう。

1-3.注意を要する事故

自動車保険または施設賠償保険に加入した場合でも、免責となる(保険金支払い対象とならない)下記のケースを考慮しておく必要があります。

  • フォークリフト作業で取引先から預かっている商品を損壊した。(管理財物であり、免責)<フォークリフトの作業を運送会社が行う場合は、運送保険の特約で補償できる可能性があります。倉庫・保管会社なら動産総合、火災保険(通知保険)の契約について荷主と相談しましょう。>
  • フォークリフトが同僚従業員にぶつかってケガをした。(同僚災害であり、免責)
    従業員の業務災害に該当するので、政府労災・労働災害総合保険、その他傷害保険で対象となります。>
  • A社の従業員がフォークリフトを操作・運行しB社の倉庫のシャッターにぶつかった。この場合にA社が倉庫を賃借していた、または、A社がB社からの請負業務遂行中であった場合は、免責となります。(これも管理財物であり、免責)<B社の火災保険で補償>

したがって、フォークリフトが遂行する仕事の環境や想定される事故を検討し、保険加入を検討する必要があります。

2.まとめ

フォークリフトによる荷役作業中の賠償事故を補償するために、施設賠償責任保険の活用することは有効です。ただし、対象となるのは、第三者に対する損害賠償であることに留意しましょう。賠償相手が発注者、委託者、元請・下請け関係にあって同一業務に携わる者等は、免責となる可能性がある(事故状況によって異なります。)ため、加入前に保険会者に相談しましょう。

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