1.はじめに
施設賠償責任保険・請負業者賠償責任保険・生産物賠償責任保険はそれぞれ違いがあり、企業によっては3つ全部加入が必要なケースもあります。違いのポイントをご説明します。
2.基本的な補償内容
まず 施設賠償責任保険・請負業者賠償責任保険・生産物賠償責任保険のそれぞれの基本的な補償内容を確認しましょう。
2-1.施設賠償責任保険
施設の所有・使用・管理に起因して発生した事故に伴う賠償責任を補償する保険です。また、被保険者の業務遂行上の賠償責任も補償します。
2-2.請負業者賠償責任保険
工事や清掃、メンテナンスなど作業等の請負業務の遂行、または工事や作業を行うための施設の所有・使用または管理に起因して事故が発生し、それに伴う賠償責任を補償します。
2-3.生産物賠償責任保険
生産物賠償責任保険は事業の目的である商品の製造・販売や技術の提供結果(仕事の結果)に瑕疵や欠陥が生じ、賠償責任が発生した場合に備える保険です。
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3.区別のポイント
3-1.施設賠償責任保険・請負業者賠償責任保険の区別のポイント
施設賠償責任保険・請負業者賠償責任保険はともに業務遂行に伴って発生した事故による賠償責任を補償しますが、施設賠償責任保険は、ひろく業務遂行全般を対象としていますが、「特定の請負業務」を除きます。一方で請負業者賠償責任保険は、「特定の請負業務」について、その遂行に伴って発生した事故による賠償責任を補償します。「特定の請負業務」の詳細については、それぞれの保険の引受ルールと免責条項に記載され、運営されています。なお、業務遂行のための自動車運行で、事故が発生した場合は、上記2つの賠償保険ではなく、自動車保険の対象となります。このように、各保険の補償分野が類別されています。
3-2.請負業者賠償責任保険と生産物賠償責任保険の区別のポイント
請負業者賠償責任保険と生産物賠償責任保険はいずれも第三者に対する賠償責任を補償する保険で、建設業者や清掃業、メンテナンス業などの請負業者も対象となります。違いは、請負業者賠償責任保険は、建設や各種作業の請負業務遂行中の事故、生産物賠償責任保険は業務完了後(引き渡し後)の欠陥・瑕疵による事故を対象としています。
4.まとめ
施設賠償責任保険と請負業者賠償責任保険は主に業種で区別します。請負業者賠償責任保険と生産物賠償責任保険は「業務遂行中」か「業務終了後(引き渡し後)」かの時間軸で考えてみましょう。