PL保険(生産物賠償責任保険)|食中毒など飲食店のリスクに備える

飲食店や食品製造・販売店の経営には、食中毒リスクは常に存在します。原因が目に見えない菌やウィリスであり、取り扱う品目・商品によっては絶対に発生しないとは断言できないからです。万が一の場合、PL法の定めをカバーするためにPL保険に加入していてもカバーしきれない事態を想定し、食中毒・特定感染症利益保険も検討しましょう。
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はじめに

食品の製造・販売、飲食店経営においては、食中毒のリスクから完全に開放されることは不可能と考えられます。万が一の食中毒発生の場合には、営業停止措置により営業損害も発生するため、PL保険だけではカバーできません。でも、保険でできる対策はまだあります。

なお、生産物賠償責任保険(PL保険)についての記事一覧は生産物賠償責任保険(PL保険)のすべてにまとめてあります。また、法人向けの損害保険全般について知りたい方は、法人向け損害保険のまとめに各商品ページへのリンクがまとめてありますのでぜひチェックしてみてください。

飲食店におけるPL保険の必要性

食中毒など飲食店の経営上のリスクにどう備えたらよいか考えましょう

1.飲食店のPL事故は休業を伴う

喫茶店経営のAさん。お客様Bさんがサンドイッチを食べて、腹痛・嘔吐の症状で、病院へ。Bさんの症状は、サンドイッチが原因の食中毒と判明した。保健所の立ち入り検査の結果、厨房から細菌性赤痢菌が検出され、1週間の営業停止となった。この場合、AさんはBさんに対し、治療費・慰謝料などを賠償する責任が発生する。(PL法)これを補償するのがPL保険です。

このケースにおいてAさんは、1週間の営業停止により、営業損失も発生する。それを補償するのが食中毒・特定感染症利益保険です。

2.食中毒・特定感染症利益保険

この保険は、あらかじめ設定しておいた補償する期間(*)における損失について、下記の計算方法によって得られた金額を限度に保険金が支払われます。(*補償する期間は、営業停止期間がどのくらいになるか、売上高の回復までにどのくらいの期間を要するかを勘案し、損失を補償する期間の上限をおよそ10日~90日の間で設定します。)

保険金の限度額=収入減少額×利益率

(ただし事故により「支出を免れた費用」を差し引き、「収入減少を防止するために支出した費用」を加えるなどの調整があります。)

3.まとめ

食中毒や店舗の規模によって、PL保険よりも食中毒・特定感染症利益保険の損害額が大きくなるケースも考えられるため、両方加入することをおすすめします。

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