施設賠償責任保険の必要性|賃貸マンション・戸建ての大家、駐車場オーナーのリスク

賃貸マンション・アパート、駐車場など施設の利用に対する価値を提供する業務は、施設賠償保険なしには成り立ちません。損害賠償には限度がない(青天井である)点は、あらかじめ損害額が限定される火災保険よりも重要であるとも言えます。加入内容をしっかり確認しましょう。
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はじめに

賃貸マンション・アパートのオーナーさんで、火災保険に加入しない人はいないでしょう。しかし、火災保険よりも施設賠償責任保険の方がもっと大切という考え方がります。その理由をご説明します。

なお、施設賠償責任保険の記事一覧は施設賠償責任保険のすべてにまとめてあります。また、法人向けの損害保険全般について知りたい方は、法人向け損害保険のまとめに各商品ページへのリンクがまとめてありますのでぜひチェックしてみてください。

不動産オーナーと施設賠償責任保険

不動産オーナーにとって、火災保険よりも施設賠償責任保険の方が重要という考え方も

賃貸マンション・アパートのオーナーさん、賃貸駐車場のオーナーさん、戸建ての大家さんが掛ける保険の代表はまずは火災保険ですが、もう1つ重要な保険があります。建物・施設の管理責任を補償する施設賠償責任保険です

例えば、賃貸マンションの入居者が建物内の階段で転倒し、ケガをしたなど、不測の事故が起きた場合に、がオーナーまたは管理会社の建物管理業務の遂行状況に問題はなかったのかを検証されることになるでしょう。

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施設賠償保険の基礎知識についてはこちらの記事でご確認ください。

1.管理状況に問題があるケースの事例

  • (事例1)階段を下りた際に、階段のすべり止めが外れており、転倒、骨折した。
  • (事例2)ゴミ出しの際に、本来閉めてあるべき非常口が壊れていて、それが原因で雨に濡れた床で、転倒事故が起きた。
  • (事例3)ビルの看板が落下し、通行人が大ケガをした。

2.建物の管理に欠陥(瑕疵)があった場合のオーナー(または管理会社)の法的責任

上記の3つの事故はすべてオーナーの建物に関する管理責任が問われる事故です。

オーナーは賃貸人として、賃借人と賃貸建物について賃貸借契約を結び、賃貸建物を使用できる状態で、つまり安全に賃借人に使用させる義務を負っています。一方で入居者は賃借人として、建物を使用する対価として賃料を支払う義務が負っています。

賃貸建物における上記のような事故が、賃貸人の過失、例えば、賃貸人が当然に行うべき物件管理が適切でなく、その結果として事故が起きた場合には、賃貸人の過失による債務不履行、または不法行為に基づく賃借人その他の被害者に対する損害賠償義務が発生する可能性があります。

また上記の事例3の場合は、第三者である通行人に対する不法行為として賠償責任を負うことになります。ケガの程度が大きな場合、特に子供さんが被害者となるケースなどは、大きなトラブルとなり、賠償責任に基づく金銭補償は避けることができません。

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施設賠償保険一般の事故例についてはこちらでご確認ください。

3.火災保険と施設賠償責任保険、同等に重要

さらに、こうした事故の賠償額は事前に見積もることは困難です。火災保険の場合、発生し得る損害は建物の時価額が限度となりますが、賠償事故は、命にかかわる事故の可能性もあるため、その限度額が事前に決まることはありません

そうした意味で、施設賠償保険は十分な補償限度額を設定して加入することが重要です。火災保険と同様にオーナーにとって必須の保険なのです。

4.建物の構造や設備に合致した補償内容で加入する

施設賠償責任保険の普通契約では、給排水管や冷暖房装置などからの蒸気、水やスプリンクラーからの内容物の漏出によって生じた損害も補償されません。

アパートや雑居ビルにおける水漏れ事故に備えるためには、漏水担保特約が必要です。さらに、建物全体に契約したから場合でも、エレベーターやエスカレーターがあれば、その台数に対応した昇降機特約を別途付帯する必要があります。

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アパートや雑居ビルにおける水漏れ事故への備えについては、こちらの記事も参考にしてください。
物件の自然災害のリスクと施設賠償保険の関わりについては、こちらの記事で併せて確認してください。
施設賠償責任保険の仕組み|台風・水災などの自然災害は補償されるか

5.まとめ

賃貸マンション・アパート、その他施設のオーナーさんにとって、施設賠償保険は、三種の神器の1つであると考えられます。三種とは、建物・施設、火災保険、施設賠償保険です。

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