1.はじめに
損害保険は一般的に、人為的な誤った行為を補償するケースは少なく、過失か重過失かの判定が問題となることもありますが、施工ミスや機械操作ミスによる損害は補償されるのでしょうか。
実は、建設工事保険であればそれらは補償されます。しかし注意点もあります。確認しましょう。
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2.施工ミスは補償される
建設工事保険は作業員の故意、過失または作業遂行上の拙劣によって生じた損害を補償対象としているため、いわゆる「施工ミス」は補償対象となります。
ただし、工事現場責任者の故意、重過失、法令違反によって生じた損害は補償されません。
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3.「施工ミス」を補償することに、モラルリスクはないのか
建設工事保険の保険契約者・被保険者は、建設事業者(建設会社)であり、建設事業者にとって作業員の施工ミス自体が業務遂行上のリスクと考えられます。
施工ミスは人間の作業の精度によるもので、予測不可能であり、一定数は必ず起きるもので保険の基礎概念である「大数の法則」に合致すると考えられます。
一方で工事現場責任者は、建設事業者と一体の者と考えられ、その故意や重過失は契約者または被保険者本人のモラルリスクそのものと考えられます。よって補償の対象外(免責)とされています。
4.まとめ
「誤って作業してしまい(施工ミス)、弁償を求められたときにカバーしてくれる保険はないのだろうか」と思って保険商品を探していた方にとっては、建設工事保険はぴったりの保険です。
有責(補償の対象)のケース、免責(補償の対象外)のケースをよく吟味した上で加入しましょう。
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